Grus Archのビジョン
計算のモデルそのものから問い直し、効率よく動く新しいコンピュータの基盤をつくる。
なぜ、いま新しいアーキテクチャか
現代のコンピュータの多くは、命令を一つずつ順番に追う発想を土台にしています。 そこにキャッシュや投機実行といった工夫を重ねて速さを引き出してきました。 一方で、計算の中にある「どの処理が、どの結果に依存しているか」という構造は、 ソフトウェアからハードウェアへ伝わる過程でしばしば失われます。
Grus Archでは、その依存関係の構造(データフロー)そのものを基盤に据える コンピュータを構想しています。何が何に依存するかをあらかじめ見渡せれば、 無駄な待ちを減らし、並列に動かせる部分を素直に並列で動かせるはずだ——という考えです。
カテゴリ:静的データフローのコンピュータ
目指しているのは、ノードベースの計算モデルを土台にした **「静的データフロー」**のコンピュータです。 処理の単位をノードとして表し、その間の依存関係を静的に(実行前に)見渡したうえで、 ソフトウェアからハードウェアまで一貫して効率よく動かすことを狙います。 当面の主戦場は、実時間性(間に合うことの予測しやすさ)と省電力が価値になる エッジ・組み込み領域です。
ここで述べるのはビジョンと方向性です。設計の具体は研究開発の途上にあり、 適切な時期に順次公開していきます。
小さく始めて、広げていく
Grus Arch は、小さく確実に動く組み込みの世界から始め、 いずれは汎用の計算まで広げていくことを目指します。 詳しくはGrus Archのロードマップをご覧ください。
日本から、世界へ
自動車、ロボット、工場の自動化。日本は、現実の世界で正確に動く機械をつくることに強みを持ってきました。こうした機械の中で、センサーを読み、判断し、モーターを動かす制御を、実時間性と省電力の両面から支えるコンピュータを、日本で設計したいと考えています。
いずれは、チップの製造も国内で行い、設計から製造まで日本で完結する、純国産のアーキテクチャにすることを目指します。これは長期の目標で、時期は決まっていません。いまの試作では、海外製のFPGAや、海外のオープンな製造プロセス向けの設計ツールも使っています。
北海道のタンチョウにちなむ名前のとおり、北海道から世界へ羽ばたくことを目指しています。